Bash on Windows上でプログラミング言語Crystalの処理系を使う
先日のWindows 10 Anniversary Updateにより、Insider Previewを利用しなくてもBash on Windowsを利用できるようになりました。そこで、以前から少し気になっていたプログラミング言語Crystalを、この画期的なシステムを利用して使ってみることにしました。
Crystalの概要
公式サイトによると、Crystalは静的型付け、コンパイル時評価などの特徴をもつ言語とのことです。その文法はRubyに似ていますが、Rubyとの互換性を目標としているのではないとのことです。
ドキュメントを読む限り、LinuxやMac OSXではパッケージマネージャ等を利用して容易に処理系を導入できるようですが、Windowsではそのような方法がまだないようです。
Crystal導入の手順
そこで、Bash on Windowsを利用することで、Ubuntu向けの比較的容易な手順でCrystal処理系をインストールしました。その概略を以下に示します。なお、使用したWindows 10のバージョンは1607(OSビルド14393.10)です。
Bash on Windows環境にCrystal処理系を導入する
以下の手順はOn Debian and Ubuntu | Crystal Programming Languageを参考にしたものです。
はじめに、以下のコマンドでリポジトリの設定を行います。これにより、apt-get
を使ってCrystalを導入することができるようになります。
curl https://dist.crystal-lang.org/apt/setup.sh | sudo bash
次に、以下のコマンドにより、Crystalコードのコンパイルに必要なgcc
などの開発ツールと、Crystal処理系をインストールします。私の環境では、前者の処理には10分ほどかかりましたが、後者は1分以内に終わりました。
apt-get install build-essential
apt-get install crystal
動作確認
動作を確認すべく、以下のコードを適当なテキストエディタでhello.cr
として作成します。Atomを利用している場合には、language-crystal-actualをあらかじめインストールしておくと、シンタックスハイライトが有効になります。
puts "こんにちは世界"
以下のコマンドでこのCrystalコードを実行することができます。「こんにちは世界」と表示されればOKです。
crystal run hello.cr