三次元カバン
出先のコンビニエンスストアで,プラスチック容器に入ったゼリーを買い,その際に使い捨てのスプーンが必要かと問われ,肯定したはずなのに,部屋に戻って袋をひっくり返しても入っていなかった.袋詰めの作業を漫然と眺めていないで,注意を払うべきだったかもしれないが,そうしたとすれば,むしろ私がスプーンが入れられるのを見逃していて,あらぬ疑いを店員にかけてしまうおそれもあったので,なんともいえない.幸いにも,カバンの中に使い捨ての割り箸やらなんやらは備えていたので,直接むしゃぶりつくには及ばなかった.あれも要るかもしれない,これも要るかもしれないと思うあまり,カバンが膨らみがちだ.それでも,自分のうっかりだけでなく,時には他者の助けにもなっている.とある架空の猫型ロボットになぞらえられたほどだ.もう少しカバンをいたわるべきかもしれないが,備えあれば憂いなしと思い,あまり荷物を減らせない.