はむ吉(のんびり)の練習ノート

プログラミングとことばに関する話題を中心に,思いついたこと,試してみたこと,学んだことを,覚え書きを兼ねてまとめます.その際に役立った,技術書,参考書,辞書,機器などの紹介も行います.

上弦と満月の間の月 (waxing gibbous moon) について

iOS を更新してから,iPhone のロック画面に月相を表示させている.昨日ツイートしたように,今日(新暦 2/4)を含め,ここ数日は🌔*1の図とともに,「十日夜」と表示されている.しかし,「十日夜とおかんや」は陰暦 10/10 夜の行事を指し*2,仮に一般の陰暦 10 日を意味するとしても,そもそも今日は陰暦 14 日(小望月)だから,やはりおかしい.そこで,英語から日本語への翻訳でおかしなことになったと推測して,端末の言語を英語にしたところ,waxing gibbous と表示された.これは,直訳すれば「満ちていく凸状(の月)」であるから,別に陰暦 10 日だろうが 14 日だろうが,上弦の月と満月の間であれば,どれにもあてはまるだろう.問題は,これを単に「十日夜」と訳するのは不適切であるということである.昨日や今日のように,十三夜の月や小望月も,waxing gibbous に含まれるからだ.ただ,そうはいっても,waxing gibbous (moon) を表す,短い日本語の表現はなかなか見つからない.「英辞郎 on the WEB」の waxing gibbous moon には「上弦と満月の間の月」とあり,「十三夜の月など」と注釈を加える.ただ,waxing gibbous は別に立項されており,単に「〔月相〕の十三夜」としている.続けて「上弦から満月までの月相」と補っているとはいえ,上述の理由から,不適切な記述だろう.ともかく,waxing gibbous (moon) に定訳はないのかもしれない*3.どうしたものか.

*1:こんな絵文字もあるのか.便利である.

*2:たとえば,『デジタル大辞泉』の同項目にある.

*3:なお,より広い概念である waxing moon については,『ランダムハウス英和大辞典』第 2 版に「漸大月」「新月後・満月前の満ちていく月」とある.