はむ吉(のんびり)の練習ノート

プログラミングとことばに関する話題を中心に,思いついたこと,試してみたこと,学んだことを,覚え書きを兼ねてまとめます.その際に役立った,技術書,参考書,辞書,機器などの紹介も行います.

フィルムケースの怪

フィルムケースというものがある.その名の通り,フィルムカメラのフィルムを収納するための小さな円筒状容器で,多くはプラスチック製である.二十年ほど前には,家の中でもそこらへんにあったと記憶しているが,デジタルカメラどころか,スマートフォンに日常での主たる撮影の手段が取って代わられてからは,めっきり見ることがなくなった.ただ,汎用の小物入れなどとして,現代になって脚光を浴びているケース*1があるとはどこかで聞いたことがある.


ふだんの暮らしでは半ば過去のものになりつつあるとはいえ,「フィルムケース」は国語辞書には残っているだろうと思ったが,意外にもあまり見つからない.手元に電子版があるものを中心に,中型国語辞書『広辞苑』第七版,『デジタル大辞泉』,『大辞林 4.0』や,小型国語辞書『明鏡国語辞典』第三版,『新明解国語辞典』第八版,『三省堂国語辞典』第八版あたりを探したが,少なくともこの形では立項されていない.カタカナ語辞書『コンサイスカタカナ語辞典』第 5 版にも見えない.「フィルム」と「ケース」から推して知るべきということなのかもしれない.やや不親切な気もするが.

なお,われらが (?) 『新和英大辞典』第五版は,「フィルムケース」を立項している.そのまま a film case でもよいが,a film canister ともいうようだ.英語圏でも,フィルムケースは新しい役目を与えられているのだろうか.それは,別の機会に調べることとしよう.

*1:くだらない.なお,「入れ物」の case と「事例」の case は語源が違うようだ.辞書で調べてみよう.