「N 進数」の是非について
「N 進法で表された数」のことを,縮めて「N 進数」と呼ぶことがある.これについて,こってりとした語釈に魅力がある*1小型国語辞書『新明解国語辞典』第八版*2には,一家言*3があるようだ.同辞書は,「進法」を造語成分として立項するが*4,その語釈中で,以下のように注意するのが目に留まった.
なお、計算機関係の文献に「二進数・十進数」といった用語が頻出するが、数自体にこうした種別があるわけではない。正しくは「二進(法によって)表記した数」などとすべきものである
確かに,言われてみたらそのような気がしてくる.しかし,たとえば英語には binary number といった表現もあるが,これも同様の理屈で退けるのだろうか.また,そもそもこれは国語辞書における記述に過ぎず,実際に数学で「N 進数」という言い方がどのような扱いをされているのかはわからない.もう少し調べてみてもよさそうだ.